ご報告が遅くなり大変恐縮ですが、3/13(金)に、セミナー『ラジオから考える放送の近未来 』を開催させていただきました。
お陰様をもちまして、21名の方にご参加いただき、また活発なディスカッションが見られ有意義なセミナーとすることが出来ました。
参加者の皆様、またパネリストの豊田様、三浦様、藤様及び会場設営等ご協力をいただきました㈱インテージの皆様、ご協力ありがとうございました。

なお、5/15(金)には、セミナー『民放キー5局の生き残り戦略2015~メディア価値最大化に向けて~』を開催いたします。
現在参加受付を承っておりますので、ご希望の方は是非ご参加いただけますと幸いです。

5/15(金)開催セミナーの詳細はこちらをご参照ください。

 

(参考)3/13(金)に開催したセミナーの詳細情報は以下の通りです。

3/13(金)開催
次世代メディア研究所2015年セミナー 放送90周年記念シンポジウム

ラジオから考える放送の近未来

<開催日時>  2015年3月13日(金)午後1時~3時30分
 <会  場> インテージ秋葉原ビル・セミナールーム
(JR・地下鉄日比谷線秋葉原駅から徒歩3分・ 地下鉄銀座線末広町駅から4分)
 <パネリスト> 毎日放送 メディア戦略担当 取締役 豊田修二 氏
関西大学 社会学部メディア専攻 教授 三浦文夫 氏
エフエム東京 マルチメディア放送事業本部長 取締役 藤 勝之 氏
 <モデレーター> 次世代メディア研究所 代表 鈴木祐司

<受講料>
法人会員契約をされた企業は、契約人数まで無料。
※本セミナーを含め、セミナーが年10回開催されます。
※法人会員契約の詳細については、こちらをご覧ください。

それ以外の方(一般参加の方)は、1名につき2万円。(税別)


<開催趣旨>

日本の放送は、まもなく開始90周年を迎える。1925年3月22日午前9時30分、東京・芝浦の小さなスタジオから流れた第一声が、その最初だった。その時マイクの前に立った後藤新平(当時東京放送総裁)は、スピーチの中で“放送事業の4つの機能”を挙げたが、その1つは「経済機能の敏活」だった。あれから90年、放送はインターネットとの関係を深め、技術的に進化すると共に、経済機能を飛躍的に高めようとしている。

当時から基本的な姿を変えていないAMラジオは、FM補完やradikoによる新配信システムを得て発展しようとしている。そこに今年からV-Lowという新システムが始まろうとしている。こうした動きは、近い将来に放送がどう進化を遂げることを示唆しているのか。例えばIP網に放送がのり、SNSなど新サービスと連携すると、どんな進化が期待できるのか。データを大容量でIP一斉同報送信することで、ビジネス的に放送事業はどう飛躍する可能性があるのか。その時、既存のAMラジオやテレビの事業者は、どう対応し得るのか。

当セミナーでは、“90年間の激変”の中で見えてきた放送事業の近未来を、実際に変化に直面する現場最前線に立つ3人の知見から議論し、対応策などを模索する。


<セミナーの概要>

Ⅰ.プレゼン:放送90年の変化の現場

【日本の放送の変遷】
日本では1925年にラジオ、1953年にテレビが始まり、“映像の世紀”と言われた20世紀後半に、テレビがメディアの王様となった。ところが1990年代に登場したインターネットが急発展を遂げ、2010年代には放送に大きな影響を与え始めている。その中で放送も大きく変化を遂げ始めているが、放送のトップバッターだったラジオこそがその先端にあり、放送の近未来を予測させる実績を見せ始めている。

【radikoの経験から考える放送の近未来】
ラジオの復権は日本文化の多様性の確保に繋がる。特にメディア受容を決定する時期である10代前半の若者にとって想像力をかきたてるラジオメディアの存在は重要である。そこで、タイムシフト、シェアラジオという新しいサービスによって、スマートフォンとSNSという現代の若者のメディア環境の中に入り込むことを目標に活動している。また、IPセントリックが進む中、スケーラビリティのあるradikoプラットフォームについて、その設立の経緯と設計思想についても言及する。

【V-Lowの可能性が拓く放送の近未来】
V-Lowはラジオでもテレビでもない第三の制度、すなわち「二値のデジタル情報を送る放送」と定義された。通信と放送の融合というとき、ネットを使って放送コンテンツを視聴させる、というアプローチが多い。V-Lowは逆で、放送の伝送路が通信上のコンテンツやサービスのコンベヤーとなるもの。FM多重放送は、アナログ放送の電波の隙間を利用して、デジタル情報を重畳送信していた。この重畳部分のみを抜き出して、大容量でIP一斉同報送信する業態ともいえる。ラジオのデジタル移行先と期待された時期もあり紆余曲折を経て、通信と放送融合のための法改正等の後、現在の在り方に至った。新しい「地域」の考え方を反映した制度ゆえ、地方創生に役立てたい。

【AMやテレビの立場から放送の近未来を考察する】
AMのFM補完局制度は長年の技術的課題の有効な解決策だが、AM局の将来に向けた経営課題は山積している。これまでradikoやCATVコミチャンなどの活用に取り組んできたが、そこで見えてきたものがある。今後の放送制度の在り方を含めて、今後のラジオを考えてみたい。

インターネット技術やモバイル機器の急激な進化により、メディアの業態は大きく変貌した。特に音楽ではレコードからCD、MDなどは主役の座を奪われ、ネット空間には天文学的な数の音声コンテンツが溢れる。映像コンテンツもしかり。放送の優位性や価値観は低下しているという声もあるが、放送マンの立場から放送の存在意義を考えてみたい。


Ⅱ.議論とQ&A

「AMのFM補完局制度」「radiko」「V-Low」という3つの変化について、それぞれ登場した原因・現在の動向・今後の効果などを確認する。

音声から映像へと発展した20世紀型マスメディアは、インターネットと出会いどんな影響を受け、今後どう進化し得るのか。ビジネス的にはどう発展可能なのかを展望する。

 

<プロフィール>

毎日放送 メディア戦略担当 取締役 豊田修二 氏
1973年毎日放送入社。ラジオ深夜番組やテレビ番組の制作を担当。テレビ編成を経て、96年CSチャンネルGAORAに出向、CS放送のデジタル化に従事。その後インターネット事業部長、メディア企画部長を歴任し、2005年メディア開発局局長。09年取締役メディア戦略室長。11年から現職。全国地上デジタル放送推進協議会総合推進部会構成員、総務省テレビ受信者支援センター特別委員会委員。

関西大学 社会学部メディア専攻 教授 三浦文夫 氏
慶應義塾大学経済学部卒。電通関西支社統合メディア局次長、同グローバル業務室長などを経て2012年より現職。IPサイマルラジオradikoを考案、実用化。民放連ラジオ再価値化研究グループ座長、スペースシャワーネットワーク社外取締役、アーティストコモンズ実証実験連絡会幹事、マルチスクリーン型放送研究会顧問、IPDCフォーラム監事。

エフエム東京 マルチメディア放送事業本部長 取締役 藤 勝之 氏
福岡県出身。1985年東京大学法学部卒、住友不動産株式会社入社。社長室、新規事業開発部等で新規事業開発担当。2001年エフエム東京入社。FMケータイのスキーム構築等を通じ、「通信と放送の融合」に取り組む。現在は取締役マルチメディア放送事業本部長。V-Lowを事業推進するために共同設立した持株会社であるBIC株式会社常務取締役、東京マルチメディア放送株式会社代表取締役も兼任。

次世代メディア研究所 代表 鈴木祐司
1982年にNHK入局。制作現場では主にドキュメンタリー番組の制作を担当。97年に放送文化研究所に異動。98年日米ジャーナリスト交換プログラムで、アメリカの放送デジタル化の動向を視察。2003年放送総局解説委員室解説委員兼任(専門分野はIT・デジタル)。09年編成局編成センターへ異動。大河などドラマのダイジェスト「5分でわかる~」を業界に先駆けて実施、他に各種番組のミニ動画をネット配信し、NHKのリーチ拡大を図る。12年にNHKスペシャル事務局へ移動し、放送前にミニ動画を配信して視聴率を上げる取組等を手掛けた。2014年独立、次世代メディア研究所代表・メディアアナリストとして活動。

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